増田ひろのり

活動レポート: トピック解説

7/29「羽田低空飛行見直しのための議員連盟」総会

2024.8.12

7月29日 衆議院第一議員会館「国際会議室」で「羽田低空飛行見直しのための議員連盟」総会が開かれ、オブザーバー出席をしました。

今日の質疑で、国交省から新しい事実が回答されました。
❶羽田の発着便数3.9万回/年のうち、2.8万回は従来ルートの運用変更で稼げていた。 新ルートによる増便効果は1.1万回のみ。
❷2024年3月の発着実績によると、複数の時間帯で従来ルートで90回/時 離着陸できていることが判明。 従来ルートで90回を満たせるなら、無理に新ルートで都心低空飛行する理由はなくなるのでは。

もともと政府は、首都圏空港の機能強化を目標に掲げ、2020年代後半までに羽田空港と成田空港を合わせて約100万回/年の発着容量を実現しようとし(2015年の容量は74.4万回)、このうち羽田空港では、従来の発着便数の容量44.7万回/年から48.6万回/年へと便数を増やすため、2020年3月から渋谷区上空を飛ぶ都心低空飛行ルート(新ルート)の運用を開始しました。これで従来ルートでは1時間に80回だった発着陸を90回行うことがでるようになり、年間3.9万回、便数を増やせるという計算です。

しかし、今回の説明により、
○新ルートには期待したほどの増便効果がないのでは?
○運用の検証をさらに進めることによって、必要な増便分は従来ルートで満たせるのでは?

という仮説が強くなりました。 検証が進めば、渋谷区や都心の住民が低空飛行を受け入れる必要性がなくなる可能性があります。

渋谷区は、2020年3月の新飛行ルート運用開始以降、羽田空港への着陸便が住宅の頭上(約900m〜600m)を飛ぶようになっており、飛行開始以前から上がっていた騒音や落下物リスクを懸念する声は、未だ収まっていません。

区民からの要望を受け、渋谷区議会からも毎年のように以下の意見書を国へ提出しています。
2019年3月26日 羽田空港増便による都心低空飛行計画の見直し等を国に求める意見書
2020年6月17日 羽田空港新飛行ルートの再考を国に求める意見書
2021年10月13日 羽田新ルートの運用停止を国に求める意見書
2022年6月15日 羽田空港新飛行ルート運用に対する地域住民の不安を解消する策を講じることを求める意見書

引き続き、国の検証と情報公開を求め、都心低空飛行の必要性の根拠が合理的に説明できないのであれば、新ルートの運用を停止するよう、国へ強く求めていきます。