7/31 特別支援教育講演会「脳やメンタルを鍛えるよりも寄り添う支援~脳科学とマインドフルネスのアプローチ~」
7月31日(水)特別支援教育講演会「脳やメンタルを鍛えるよりも寄り添う支援~脳科学とマインドフルネスのアプローチ~」に出席。渋谷区教育センターが渋谷区役所で開催。公認心理士の今井正司先生による講演。保護者の方や教育・福祉現場で働く方などが受講。
落ち着きがない子や、特定のことにしか集中できない子の特性を、「ワーキングメモリ」という脳機能の側面から解説いただきました。ワーキングメモリの容量が小さな子(人)は、同時に複数のことに注意を向けることが苦手。教育でもその特性に応じた配慮が必要です。例えば、すぐ忘れやすいからとメモを取らせようとする指導は、メモを取る作業自体が負担になって集中力を妨げるため、逆効果である、などのお話が紹介されました。
苦手を克服させようとするのではなく、ワーキングメモリ容量が少ない特性に寄り添って、1つ1つ順に学べる手順を整えて、教えることが大切だとのお話しでした。「脳機能に負担をかけない学びの支援」という言葉が印象的でした。
学校教育だけでなく、障害や特性を持った大人への職場での合理的配慮にも通じる話だと感じます。
なお、「注意欠陥・多動性障害(ADHD)」と「脳のワーキングメモリが小さい」特性は全く別物であり、正しい診断による区別が必要だそうです。
後半には、子ども自身が自分をコントロールできるようになり自信を持つことにつながる「メタ認知」能力が紹介され、メタ認知を育てるためのワークも紹介されるなど、大変有意義な講座でした。
ちなみに子どもたちがYouTubeをずーっと再生して観ていることについて、2時間以内なら実行機能の発達に影響はないそうです。
講師のホームページはこちらです。とても充実したサイトなのでご関心のある方はアクセスください。