増田ひろのり

活動レポート: 視察や研修

自治体・公共Week 2024

2024.7.6

都知事選・都議補選応援の合間に。自治体DXや地方創生など、自治体・公共向けの6つの専門展で構成された展示会「自治体・公共Week 2024」へ行ってきました。

以下に気になった展示をご紹介します。
なお高齢者の見守りIoTサービスを一番見たかったのですが、自分が回った限りでは展示は見つけられませんでした。

▲ 子育て支援
(左)産婦人科・小児科オンライン。 私は先日、明け方に喉の激痛に襲われて初めてオンライン診療を使ったのですが、早くて簡単で安心できて、とても助かりました。子どもを育てている方向けに、スマホによる24時間相談を行政が費用負担して提供したら、ニーズは大きいと思います。渋谷区でも導入を推進したいと思います。なおこのサービスは相談までで、医療行為は対象外だそうです。
(右)子育て支援グッズパッケージ。渋谷区での育児パッケージはこちら。私の名札に「渋谷区議会議員」と書かれているのを見て、渋谷区に納入されているグッズを見せていただきました。

防災
(左上)災害援護資金給付管理システム。東日本大震災後に被災自治体のニーズがあって開発されたシステム。被災してしまったら必要になりますが、あらかじめ開発・導入はしにくいシステムだと思います。このようなサービスが提供されていて、必要な時にすぐ使えることで、助かる自治体は沢山あります。今年は能登半島で春から引き合いがあるそうです。また、奨学金などの貸付返済管理業務にも応用できるとのこと。平時に活用できるのも良いですね。

(中上)災害緊急対策用可搬型監視カメラ。地方都市で土砂崩れを監視する時に活用されると思いますが、渋谷区だったら倒壊しそうな建物や構造物をモニタリングするときなどに即時導入できれば便利です。仕組みの簡易さが強みだと思います。右奥はもっとリッチな製品で、Starlinkで通信できるとのこと。

(右上)なんか今日一番インパクトがあった展示。1枚の板に脚がついており、平時はホワイトボード兼パーテション、災害時には板を寝かせてテーブルとして活用、さらに板を裏返して脚を縮めると畳のベッドになる製品。「1台3役」「災害時変形」というフレーズが印象的でした。避難所での大量な活用を想定すると結局置き場に困るので、自主管理施設などに数台ずつ置くのが現実的ですかね。

(左下)個別避難計画DX。多くの自治体で、災害時の避難行動要支援者に対する個別避難計画作成率や計画の質が課題になっている中、紙運用をクラウド上の電子化運用に変えるもの。本人も支援者もアクセスできて随時参照・更新できることで、個別避難計画の意思共有、記述の具体化、棚卸し頻度増、が進むと思います。避難行動要支援者には単身高齢者が多く、また支援者も町会役員など高齢の方が多いので、デジタル運用のハードルをどう乗り越えるのか、先行導入自治体の状況を知りたいところ。

(右下)AR浸水体験。防災キャラバンのいつもの煙のARとはちがう、浸水AR。

まちのコイン(渋谷区では「ハチポ」)
渋谷区では、デジタル地域通貨「ハチペイ」のほかに、コミュニティコイン「ハチポが導入されています。
渋谷区のお店・団体・人をつなげるアプリ「まちのコイン」で使うことができます。アプリで「ハチポ」をもらったり、あげたりしながら、さまざまな地域の体験に参加することができます。例えば、ちょっとした手伝いごとやまちに良いことに参加すると、「ハチポ」がもらえ、もらった「ハチポ」はお店やイベントなどで「お金で買えないようなうれしい体験」をするために使えます。
というもの。
ハチペイと違って換金性はないのですが、地域の中で独自の価値交換コミュニティを作り、体験と通して利用者同士の関わり合いを増やしていくことが期待できます。また例えばフードロス削減を地域の目標として設定し、賞味期限間近の食材を購入するとコインがもらえるようにするなど、地域の課題を解決するインセンティブとして活用することもできます。詳しくは カヤックが開発「換金しない地域通貨」 絶妙なルールで街おこし をご覧ください。
渋谷区ではハチペイの普及とは対照的に、ハチポは普及していません
最近、友人が開発業者であるカヤック社に転職し、しかもコミュニティコイン担当者として展示に関わっていたので、意見交換。普及の鍵は、運営が目的感を持って旗振りすることに尽きるとのことでした。
渋谷区ではハチポを(ハチペイと同じく)産業観光課が主管していますが、地域振興課へ移してコミュニティ団体への利用促進を促するのが良いのではないかと考えています。市民協働促進と目的に成果を挙げているという日立市へ視察に行きたい、と思いました。

柏の葉スマートシティと「カロママ プラス」
三井不動産さんを中心に産官学で運営されている柏の葉スマートシティ。スマートシティの先進事例として有名です。
まちづくり団体がデータプラットフォームを提供して、住民や街の利用者とのタッチポイントを広く掴み、サービスを提供したいアプリ開発業社がプラットフォームに乗っかるスキーム。アクティブユーザーの数と、サービスの質の双方が噛み合わないと、絵に描いた餅になりがちな事業モデルですが、サービス数も対照エリアも順調に拡大しているようです。
マネタイズは利用者個人からではなく、アプリ開発業社へ課金しているとのこと。アプリ開発業者へ、ここを実証のフィールドとして提供しているという位置づけなのですね。
健康・医療系の研究機関が多い地域であり、サービスの分野をヘルスケアに特化して始めたことが成功要因だと思います。
アプリの1つ「カロママ プラス」の展示を発見!
これは私と同じ会派の同期・佐々木ゆき渋谷区議会議員が今も開発者であるアプリです。

一方、渋谷区においては、今年度からスマートシティ推進事業がデジタルサービス部から産業観光文化部へ移管。まずは産業振興と観光分野で進めていく旗色が鮮明になりました。区民の価値向上、区民への還元という視点で成果が上がるのかチェックしていきたいと思います。

スマートバス停
令和5年度第4回定例会で、くわずるゆき子区議会議員が提案した、スマートバス停。遅延情報を、高齢の方にも分かりやすく大きく掲示したり、普段は広告や町会掲示物などを映し、災害時などには避難情報に切り替えたりできます。

焼却灰リサイクル
日本政策学校の同窓生が展示されていました。東京23区でも利用しています。

WinActor
かつての職場の後輩にも会えました!現場からは以上です。